表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/326

3月18日


 三月十八日。

 今日も今日とて“MARY”に入り浸る六天縁は、気分転換にメニューを眺めていたことで、その変化に気付いた。


「チョコプリン?」

「しんめにゅーだよっ!」

「ほう。そりゃぁまた」


 メニューが一つ増えているのだ。

 “MARY”では新メニューは“習熟代”として、一週間限定で割引にしており、それを目当てにする客もいる。

 六天縁も、新メニューは取り敢えず頼む口であるからして、こういった変化は歓迎するべきことであった。


「では、チョコプリンを一つ」

「はーい! チョコプリンひとつでーっす!」

「はい」


 町田青年はチョコプリンを冷蔵庫から取り出し、適度に盛り付ける。

 器用とはいえ、元が素人なので、それ程豪勢なモノは作らない。

 寧ろ素朴で、気安く食べられるモノを意識して作っていた。


「お待たせしました」

「ほう……」


 カップに入れられたチョコプリンは、市販品や高級店の様な綺麗さ上品さはないものの、だからこそ気安く頂けるモノだ。

 過度に期待し過ぎず、予想通りに。

 一匙掬い、口に運べば、チョコレートの甘味とプリンの滑らかさが六天縁の口を楽しませる。


「……うむ、たまにはこういうのも、悪くないね」

「ありがとうございます」

「ありがとうございまーす!」


 そんなやり取りを交わせば、自然と六天縁の気分も良くなる。

 彼はついつい、甘いチョコプリンにも合う珈琲をおかわりしてしまうのであった。


 ■メアリーの にっき■


 チョコプリンは おみせの めにゅーに なりました!

 おんなのひとにも にんきだけど こーひーがすきな おじちゃんたちにも にんきです!

 あまあまと にがにがが ちょうどいいんだって!

 オトナのあじって やつなのかな?

 でもめーちゃんは ぎゅーにゅーのほうが いいなぁ。


 あしたもいいこと ありますように!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ