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3月17日


 三月十七日。

 今日は車を駆り、三人で買い物へ来ていた。


「つぎ、おやさいこーなー!」

「はい」


 車型ショッピングカートに乗り、意気揚々と指示するメアリー。

 その指示に従いながら、町田青年はショッピングカートを押していた。


「あ、ついでにレトルト食品見ていきません?」

「そうですね。何かあるでしょうか」

「つぎ、れとるとこーなー!」

「はい」


 ……時折進路を変えながら、三人はぶらぶらと買い物を済ませていく。

 店の業務で必要なものは通販や業者に頼んで取り揃えているので問題ないが、日用品などはこうして買い物しなければならない。

 そちらも通販などで済ませても良いのだが、買い物するというのも存外楽しいものだ。


「ね、ね、おじちゃん!」

「はい」

「プリン! プリンほしい!」

「ほう」


 こうして、メアリーがおねだりすることがあるからである。

 車型ショッピングカートから身を乗り出して、彼女はプリンに手を伸ばす。

 しかし、ダダあまな町田青年と違い、夢見はそこまで甘くはない。


「えー。チョコまだ余ってるじゃない」

「チョコといっしょに、プリンたべたい!」

「ダーメ。お菓子は一日何食まで?」

「う。……いっしょく……」

「うん。よく覚えてました」

「うー……」


 諭されて悔しさ半分、褒められて嬉しさ半分、といったところであろうか。

 メアリーは複雑な表情を浮かべながら、ぷぅ、と頬を膨らませる。

 そんな彼女を見て、町田青年はふと。


「では、チョコプリンではどうでしょう」

「え?」

「チョコとプリンを掛け合わせたモノなら、一度に二つ楽しめます」

「お、おぉー!」


 目を輝かせるメアリーを見て、町田青年はしてやったりと微笑む。

 そんな彼に困った様に笑いながら、夢見はプリンの隣にある、チョコプリンを手に取った。


「じゃぁ、買って帰ります?」

「はい。新メニューとして作りたいですし、見本としてもう幾つか」

「はぁーい」

「わぁーい!」


 こうして、何個かのチョコプリンが入れられ、メアリーが歓声を上げる。

 そんな彼女を、二人は微笑ましく見つめていた。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは かいものに いったよ!

 かいものは けっこう いっぱいするよ!

 かごさんが みっつは まんぱいになるの!


 きょうは チョコプリン かってもらったよ!

 ほんとは プリンたべたかったけど チョコもたべたかったの。

 で おじちゃんが チョコプリンにしようって いってくれたんだ!

 おじちゃん あたまいいね!


 チョコプリンは とってもあまあまで おいしかった!

 でもでも かえってから おじちゃんが つくってくれた チョコプリンが いちばん おいしかったよ!

 また たべたいな! つくってくれるかな?


 あしたもいいこと ありますように!


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