3月12日
三月十二日。
町田青年は、あることに気づいた。
「……む」
メアリーの体重が、増えたのだ。
朝起きて感じる、胸の上の重みが、一月の頃よりも重くなっているのである。
「……ほう」
「むー……」
頬を指で押せば、ぷにぷにという質感が返ってくる。
その柔らかさは以前からあったが、前ほど頬骨に当たらないのだ。
普通の女性なら、悲鳴を上げる状況かもしれないが、メアリーはまだ幼女である。
成長するのだから、体重の増加もままあることだ。
寧ろ、適切な食事を摂っていて、食べ盛りの子どもの体重が増加しない方がおかしいのである。
とはいえ、いつまでも上にのしかかられていては重くて敵わないので。
「……むー」
「うぇ……」
夢見の上に、そっと乗せる町田青年であった。
■メアリーの にっき■
さいきん ごはんが おいしいよ。
おじちゃんが ごはんつくること おおいけど めーちゃんも ゆめみせんせーと つくるんだ!
しっぱいするときも あるけど うまくできたときは うまうま!
おいしいものは いっぱいたべると しあわせになれるよ!
おじちゃんも いっぱいたべてね!
あしたもいいこと ありますように!




