3月1日
三月一日。
メアリーがやって来てから、二ヶ月が経った。
そのことに、日めくりのカレンダーをめくって気づく。
「……もう、そんなに」
目まぐるしい、というのが、町田青年の感想であった。
同じ様な毎日が続いた去年に対し、今年は明らかに、色々なイベントが盛り沢山であった。
おまけに……。
「……お店も、持てました」
……自らの店を持ち、しかもそれが黒字になるなど、誰が考えただろうか。
それもこれも、メアリーが町田青年の元に来たからである。
何やら宗教めいた文句だが、神に祈るよりまず先に、メアリーに感謝する程度には、今までの道程に彼女の影響があっただろう。
「夢見さんとも……えぇ」
大事な人とも、仲を取り戻すことが出来た。
新しい人とも、仲を得ることが出来た。
それもこれも……自分一人では、成し得ない。
メアリーの、お蔭であった。
「……今日の晩ご飯は、メアリーさんの好きなモノにしましょうか」
その感謝を胸に、町田青年は今日の献立を考える。
今日の晩ご飯は、腕によりをかけて作ろう。そう考える、町田青年であった。
■メアリーの にっき■
きょうはね きょうはね すっごいいいこと あったよ!
なんと! ばんごはんが おこさまランチだったのです!
もうね いろんなごはんがね いっぱいなの!
ぜーんぶ おじちゃんの てづくり! とっても おいしい!
ゆめみせんせーも めーちゃんも おいしー おいしーって! おじちゃん すっごく うれしそうだったよ!
でも なんで おこさまランチだったんだろうね?
まぁいっか! おいしいから いいことだもんね!
あしたもいいこと ありますように!
……あ、でも、つくるの たいへんだから あしたも おこさまランチじゃなくても いいよ?




