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2月28日


 二月二十八日。

 今日の町田青年は、掃除をしていた。


「……ふむ」


 隅から隅まで、隈なく、満遍なく。

 一片のクズもホコリも残さず、その手で。

 本来こういった作業は定休日にやるべきだが、生活圏と厨房が直結している以上、虫や鼠が湧けば二階へと侵入してくるだろう。


 それを防ぐ為にも、毎日の掃除が大事であった。

 閉店後、彼は床を磨き、皿を拭き、隙間を攫う。


「おじちゃーん。ふきふきぼーかしてー」

「はい、どうぞ」

「ありがとー!」


 勿論、彼一人だけでやる訳ではない。

 メアリーや、帰るのが早ければ夢見も手伝うのだ。

 専らメアリーが担当するのは、床下などの隙間掃除であるため、町田青年は彼女に専用の掃除用具、「拭き拭き棒」を作っている。

 市販のクリーンペーパーを棒に括りつけただけのものだが、これが意外と効果があるのだ。


「ふーきふき、ふーきふきー」

「隅から隅まで、お願いします」

「わかったー!」


 念を入れて掃除するメアリーを見て、町田青年も棚や冷蔵庫の上など、ホコリが溜まりやすい場所を丁寧に掃除する。

 そうして、ピカピカになった厨房と客席を見て、二人は満足気に頷くと。


「お風呂に入りましょうか」

「はぁーい!」


 予め掃除して、湯を炊いておいたお風呂場へと行くのであった。

 丹念に洗って、百まで数えて湯船に入って。

 ぽかぽか気分で、お夕飯を作るのである。


 ■メアリーの にっき■


 きょうも おそうじ いっぱいしたよ!

 きょうはね おじちゃんが あたらしい ふきふきぼーをくれたから

 めーちゃん いっぱい ふきふきしました!

 おじちゃんが えらいねって ほめてくれたよ! うれしい!


 おそうじした あとは おふろにいくの!

 おじちゃんの おせなかは とっても おっきい!

 いっぱい ごしごし したよ!


 きょうは いつもと おんなじ いちにちだったけど おんなじなのは いいことだよね。

 あしたもいいと ありますように!


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