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11月10日
十一月十日。
今日は、お休みの日だ。
「だから、休んでください」
「アッハイ」
安め。いや休め。
そう夢見に言われるも、町田青年は休むことを知らない。
稼働し続けるナマモノなのだ。マグロとも言う。
「どうすればいいでしょう」
「んっとね、ごろーんして!」
「はい」
メアリーに言われるがままに、床に寝転ぶ町田青年。
そんな彼の上に跨り、メアリーがぎゅぎゅ、っと背中を押す。
「何をしているのでしょうか」
「まっさーじ!」
「成程」
ぐっぐと押されれば、それだけ筋肉も解れていく。
子供の手であるから、それだけ力も小さく弱いが、中々どうして心地が良い。
「温かい、ですね」
「えへへー!」
てのひらの暖かさは、子供が一番勝る。
そんな優しいマッサージに、彼は休息を見出した。
尚、その後夢見から本格的なマッサージを受けたのは言うまでもない。




