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11月3日
十一月三日。
今日は、デートである。
「あそんだぞーっ!」
「わーっ!」
「はい」
案の定、というか当然の様に巻き込まれた町田青年は、ゆらりと立ち上がった。
今日は一日出かけ、歩き、買い物に付き合ったのだ。
女性はあぁでもないこうでもないと言いながら買う物を選ぶことを楽しむが、町田青年はれっきとした男性であり、買いたい物はすぐに決めて買う派であった。
如何に温厚な彼であっても、疲労感は否めないものである。
「先輩っ、こっちこっち!」
「はやくはやくーっ!」
「はい」
とはいえ、町田青年に悠長な時間を与えてくれるほど、彼女達も遊び尽くしていないのだ。
次は映画館に行こう、となれば、少しは休める筈だが。果たしていつになるやら。
「……今、行きます」
それでも、町田青年は真面目に付き合い、想い出を共有することにした。
疲れに向き合うのは、映画館に入ってからだ。




