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10月31日
十月三十一日。
今日もまた、仮装を楽しむパーティータイムだ。
「にゃん!」
「にゃにゃん?」
「にゃぁ!」
「にゃにゃぁー……?」
「「にゃぁ!!」」
そして阿鼻叫喚の天国絵図でもある。
まず、白猫。
ちいちゃなちいちゃなお耳と、ちいちゃなちいちゃな猫しっぽ。
それらを彩る金髪と、サファイアの瞳。そしてクラシカルなブリティッシュメイドスタイル。
そう、我らがメアリーが、全力で媚び媚びなのだ。
萌える者は必死。必殺。必滅の構えである。
「にゃおう!」
「にゃうにゃう」
「にゃにゃう!!」
「「にゃにゃぁー!!」」
対するは黒猫。此方も危険。
黒い猫耳に尻尾。これはいい。まだ、いい。
しかし艶やかな濡羽鴉の髪に、豊満な胸。引き締まった肢体とくれば、どうだ。
可愛さマシマシの猫しっぽが、妖艶な鞭にも思えてくる。
しかし視覚から与えられるのはアメ、飴、飴アラレとくれば、男たちの心は鷲掴みだ。
「「とりっくおあとりーと!!」」
全力で媚び媚びなスタイルに、常連客は大賑わいである。
そんな中冷静に、町田青年はひたすらに写真を撮りまくるのであった。




