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10月27日
十月二十七日。
継続は力なり。
「……よぉーし、でーきたっ」
「おぉー!?」
隙を見てコツコツと進めてきた結果、夢見のマフラーは三日で完成した。
黄色い、ふわふわのマフラー。
勿論、誰のものかは分かりきっている。
「はい、メアリーちゃん」
「めーちゃん?」
「そうよ。昨日今日は暖かめだったけど、そろそろ寒くなるから」
「……わぁっ!」
首に巻いてみれば、ふんわりふわりと肌を撫で、心地良くさせる。
それが、たまらなくメアリーの気持ちを良くさせて。
「……ありがとっ、せんせー!」
「はいはい、どういたしまして」
思わず、ぎゅぅっと。
夢見ごと、抱きしめてしまうのであった。




