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10月16日
十月十六日。
病院での検診は後日予約して行くとして。
今は改めて、メアリーと向き合うことが第一であった。
「おじちゃん」
「はい」
「めーちゃん、うちゅーじんです」
「えっ」
「うちゅーうびぃーむ!」
「うわぁーっ」
そしてこのザマである。
漂っていた緊張感は、めーちゃんせいじんのハート型うちゅーうびぃーむで蹂躙され、その悉くが駆逐された。
辺りにはほんわかぽわぽわな空気が満ち、町田青年は驚愕しながら床に倒れた。
「げんき、でた?」
「……はい」
「よかった!」
「はい」
どうやらめありーせいじんは、町田青年へ元気を与えたかったようだ。
貰った元気を噛み締めて、町田青年はゆっくりと、彼女を抱きしめた。




