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9月30日
九月三十日。
メアリーには、お気に入りの“撫でられ方”があると気付いた。
「んふふぅ」
「はい」
まず、顎の下から撫でるのが好きなのだ。
優しく、顎骨をなぞる様に。その後、頬を吊り上げる様に撫でる。
「むぃひひ」
「えぇ」
そこから抱き寄せ、首筋をそって撫でる。
顎を自分の肩に載せて、頭頂部から背中まで撫で下ろせば。
「……すきー」
「はい」
完璧である。
なでなでマスター準一級である町田青年が、この数ヶ月で編み出した、必殺のなでなでであった。
■メアリーの にっき■
めーちゃんね おやすみまえに なでなで してもらうの すきー。
なでなで してもらうの あたまが ぽわーってなって しあわせーってなるの。
だからね なでなでしてもらったら めーちゃんも なでなでするんだ。
みんなで なでなで!
あしたもいいこと ありますように!




