表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
270/326

9月27日


 九月二十七日。

 きょうは、メアリーがねぼすけさんだ。


「……んぅ?」


 起きたら誰もいない。それは、メアリーにとっては久し振りのことだ。

 最初の頃はまだ大丈夫だったが、今となっては、厳しいものである。


「……おじちゃーん?」


 呼んでも、町田青年は来ない。

 耳をすませば、一階からざわめき声が聞こえるのだが、メアリーの小さな耳には届かなかった。


「……せんせー?」


 呼んでも、夢見は来ない。

 見上げれば、時計が夢見は大学へ出かけていると教えてくれるのだが、潤んだ目には文字盤が映らない。


「……うぇ」


 さみしい、さみしい、ひとりはさびしい。

 嗚咽が涙の防波堤を壊し、町田青年が慌てて駆け上がってくるまで、そう時間はかからなかった。


 ■メアリーの にっき■


 きょうはね めーちゃん おねぼうさんだったの。

 おきたらね だれもいなかったの。

 だから めーちゃん さみしくて ないちゃった。

 なみださん ひさしぶり。


 めーちゃん さみしいの きらいになっちゃった。

 まえは なれてたのにね。 なんでだろーね?

 でも わるいことじゃないきがするんだ ふしぎ。


 あしたは ちゃんと おきるもんね!

 あしたもいいこと ありますように!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ