9月25日
九月二十五日。
流石に、三日連続とはいかない様で。
「こーら、メアリーちゃん」
「あー!」
食事の際も本を読もうとした辺りで、遂に取り上げられてしまった。
悲鳴の様に声を上げながら、メアリーはぴょんぴょんと夢見の太腿を叩く。
「かえしてー!」
「ダーメ。食事の時くらいは、読まないでしっかり食べなさい」
「えー!」
「そうしないと、作った人に失礼でしょ」
やや強引ではあるが、夢見の言うことも尤もである。
それにメアリーは気付いたのか、うぐ、と言葉を詰まらせた。
「メアリーちゃんは、おじさんの作ってくれた料理、おいしくないの?」
「ううん」
「じゃぁ、本を読まないで、ご飯食べましょう。ね?」
「……はぁい」
しょんぼりしてはいるが、本を読むなと強制している訳ではない。
寧ろ本を読むのは良いことだが、何事もTPOというものがあるというだけだ。
「後でフォロー、お願いしますね」
「はい」
そう夢見に耳打ちされて、町田青年は鷹揚に頷く。
食後の休憩は、どうやら読み聞かせになりそうだ。
■メアリーの にっき■
きょうは せんせーに おこられちゃった。
ごはん たべながら ごほん よむのは だめなんだって。
しつれーに なっちゃうもんね。 おじちゃん ごめんなさい。
でもでも ごはん おわってから おじちゃんが ごほん よんでくれたよ!
やっぱり おじちゃんが よむと いっぱい おもしろい!!
これからも ごはん おわったら よんでくれるって!
あしたから たのしみ ふえたね!
あしたもいいこと ありますように!




