9月24日
九月二十四日。
今日もまた、メアリーは読書の秋を楽しんでいる。
「……お嬢ちゃんは、何の本を読んどるんだね」
「はてしない物語です」
「ミヒャエル・エンデか。良い趣味をしている」
お子様椅子に座りながら、一心不乱に本を読んでいるメアリーを褒め称えたのは、他ならぬSF作家・六天縁である。
作家として、子供が読書を好むことは素直に嬉しいのだろう。
出来れば自分の本であれば尚良いが、ミヒャエル・エンデ程の名作家ならば不満はないというのが、この人物の所感であった。
「お手伝いもして欲しいんですけどねぇ、特に土日は」
「まぁ、何かに夢中になれるのは良いことだろうさ」
「モモですか」
「そうとも」
夢見の悪態に対し、まぁまぁと言いながら頷き合う男二人。
甘やかさない方がいいとは思えども、やれやれと頭を振る夢見であった。
■メアリーの にっき■
きょうも ごほん いーっぱい よんだよ!
たのしい おはなし いーっぱいなの!
1ぺーじ めくるだけで すーっごい じかん かかるけど
じかん わすれて よんじゃうの!
ごはんも おふろも もったいないくらい!
でも ごはんは おいしいから もったいなくないかな?
あしたも いっぱい よまなきゃだ!
あしたもいいこと ありますように!




