9月19日
九月十九日。
今日のメアリーは、朝から興奮が醒めない様だ。
「それでねっ、それでねっ」
「はい」
「めーちゃんは、さんにんのさっかせんせと、セッションをしたのです!」
「それは凄い」
「でしょー!」
メアリーの取り留めのない話に相槌を打ちながら、町田青年は仕事を続ける。
昨日、メアリーは六天縁の家へ赴き、TRPGを遊んできたのだ。
送り迎えは町田青年が行ったものの、昨日は疲れて寝てしまった為、何があったかは今日はじめて聞くことになる。
「めあちゃんと、たぬきさんと、きつねさんと、あとかめ!」
「亀」
「めあちゃんは、みんなとなかよくしてー……いっぱいおともだち、つくれたんだ!」
「良かったです」
得意げに語る内容は嘘ではないだろう。
このメアリーという少女は、そういったところで嘘はつかない。
「楽しかったですか」
「うんっ!!」
そして、こういった感想も、だ。
その大きな頷き一つで、特に何も問題はなかったと、町田青年は判断するのであった。
■メアリーの にっき■
きのうは おねんね しちゃって にっき かきわすれちゃった!
えっとね きょうは いっぱい おてつだいしたの!
きのうはね おじーちゃんちで さっかせんせたちと セッションをしたよ!
めーちゃん がんばりました! いっぱい ほめてもらえたよ!
セッション すっごく たのしかった!
つかれちゃうけど また やりたいな。
あしたもいいこと ありますように!




