9月16日
九月十六日。
今日は、メアリーが少し早起きさんだ。
「……おあよーございまふ」
「はい、おはよう御座います」
寝ぼけ眼を擦りながら、メアリーが一階のキッチンまで歩いてきた。
朝の仕込みをしていた町田青年は、おしぼりを用意して、彼女の顔を拭ってやる。
「今日は、早起きですね」
「おじちゃんいなかったから、おきたー」
「あぁ、今日は涼しめですからね」
秋に入ってきた頃であるから、少し涼しさも増している。
寝ている間の体温調整を町田青年に頼っているメアリーには、その涼しさは少し違和感があるのだろう。
だが、折角の早起きである。今から二度寝というのも味気ない。
「仕込み、手伝ってくれますか」
「はーい!」
折角だから、二人の時間を設けよう。
手間は増えるが楽しみも増える。朝から和気藹々とした、仕込みの時間であった。
■メアリーの にっき■
きょうは はやおきさん!
あさから おじちゃんと おりょうりの しこみ したよ!
パンを こねたり おにくの したごしらえ したりするの!
たのしい!!
はやおきさん すると きもちいいね!
でも ねむくなっちゃって にっき おそくなっちゃったのは こまるかも?
あしたもいいこと ありますように!




