9月12日
九月十二日。
今日のメアリーは、悩みに悩んでいた。
「……むむむむむ」
「メアリーちゃん、何で唸ってるんでしょう?」
「キャラが固まらないのでしょう、きっと」
そう、キャラメイクについてである。
即断即決で決定したかと思いきや、朝起きるなり「いいのかなぁ」と呟き始めたのだ。
何事かと早朝から目を剥くことになった町田青年は、重々しくそう語る。
「キャラ?」
「六天縁先生から貰った、ゲームの」
「あぁ、なるほど……」
「むむむむむ……」
おはなしづくり。
六天縁はそう言ったのだ。
おはなしづくりというからには、何をすれば良いのか。
どんな分身を作れば良いのか、メアリーは決めあぐねていたのである。
「好きにすればいいんじゃないですか、そんなの。大先生だって、ワガママ言うの前提でしょ」
「まぁ、たまには悩ませておきましょう」
「そのこころは?」
うんうん唸るメアリーに、そっとデザートを差し出しながら、町田青年はゆっくりと笑う。
「練れば練るほど、美味しくなります」
今日のおやつは、ねるねるねるねだ。
■メアリーの にっき■
きょうの おやつは おかしだったよ!
ねるねるねるねる するやつ!
めーちゃん ねるねる おもしろいから すきー。
ねるねる するのは おやつだけじゃないの。
めーちゃんの おにんぎょうさん どんなこにするか ねるねるするの。
おはなしづくり すてきな おはなしに したいもんね。
めーちゃん とっても すてきな おにんぎょうさんに するよ!
がんばる!
あしたもいいこと ありますように!




