9月10日
九月十日。
今日は、風変わりな遊戯のお誘いを受けた。
「てぃーあーるぴーじー?」
「そうとも」
常連客、六天縁からのお誘いは、聞いたこともない遊戯“TRPG”への誘いであった。
聞き慣れないその単語に、メアリーは首を傾げている。
「どーやってあそぶのー?」
「骰子を転がして、役柄になりきって遊ぶ“おはなしづくり”さ」
「へぇーっ……!!」
おはなしづくり。
メアリーはその一言に関心を持ち、それでそれで? と続きを促した。
六天縁はからからと笑いながら、メアリーに本を渡す。
「それをあげよう。店主と読んで、自分のキャラクターを作ってみなさい」
「はーい!」
本の中は未知の世界。
メアリーは言いつけ通り、町田青年と読むことにしたのだった。
■メアリーの にっき■
きょうは おじーちゃんから ごほんを もらったよ!
てぃーあーるぴーじーの ごほん!
これで おあそびが できるんだって! るーるぶっくって いうんだよ!
おはなしづくりって すてき!
でもでも なんだか むつかちい おはなしかも?
おじーちゃんの ごほんだから そうなのかも。
でもでも めーちゃん がんばりますっ。
あしたもいいこと ありますように!




