9月5日
九月五日。
メアリーは、少し風変わりな遊びをしている。
「……はい、メアリーちゃんは見事、洞窟の奥で宝箱を見つけました!」
「おおー!!」
ゲームブックである。
客の一人が持ち込んだ物に興味を示したメアリーが、読み聞かせして貰いながらゲームブックでの遊戯に興じているのだ。
サイコロと紙とペン、そしてゲームブックさえあれば出来るこの遊びは、メアリーの知的好奇心を大いに楽しませていた。
「どうする? 開けちゃう?」
「あける! あけます!」
「では、宝箱を開けると……」
「あけると……!?」
ハラハラ・ドキドキ。
そんな擬音が飛び出てきそうなメアリーに、客はニッコリと笑う。
その先の結果は……。
「……宝箱には毒針が仕掛けられていた。十四へ行け」
「にゃーっ!?」
……非情な結末であった。
古式ゆかしいゲームブック。その遊びはシビアで、難易度の高いものであった。
■メアリーの にっき■
きょうは ゲームブック したよ!
ゲームブックは ゲームになってる ほん!
さいころ ころころ したりして あそぶの!!
めーちゃん がんばったけど 14に いってばっかだった……。
つぎは がんばって こーふくエンド めざすよ!
つぎの めーちゃんは うまく やれます!
あしたもいいこと ありますように!




