8月26日
八月二十六日。
今日は、金曜日。フライデーだ。
「なので、揚げ物です」
「おーっ!」
「オヤジギャグ……」
「フライデーですので」
なので町田青年は奮発して、魚屋で海老やアジなど、様々な鮮魚を買ってきたのだった。
流石の町田家でも、揚げ物を自前で作るのは珍しいが、町田青年が出来ない訳ではない。
ただ単に火災リスクが高いのと、万が一メアリーが火傷する可能性を避ける為であった。
「めーちゃんもてつだいますっ!」
「では、これをお願いします」
「おー!」
とはいえ、お手伝い好きのメアリーが参加を申し出るのは目に見えている。
なので町田青年は、そっとパン生地を渡した。
「ぱん?」
「こねてください。揚げパンを作りますので」
「つくるの!?」
「はい」
そう、デザートに揚げパンを作るのだ。
学校の給食で取り合いになる程に人気のそれは、メアリーもとっても喜ぶだろう。
加えて、パン生地をこねる作業は、とても楽しい遊びでもある。
「出来ますか」
「やる!!」
「はい」
目論見通り、メアリーが笑うことが。
町田青年にとって、何よりも有り難いことであった。
■メアリーの にっき■
きょうは ふらいでーだから あげもののひ!
あげぱんに あじさんのフライに エビフライ!
とーっても おいしかったです!!
パンのこねこね とーっても たのしかった!
また つくろうねって せんせーと おじちゃんと おやくそくしたよ!
また あげぱん たべたいな!
あしたもいいこと ありますように!




