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8月25日
八月二十五日。
今日は、喫茶“MARY”の定休日。お休みだ。
「だから、どうぞ」
「ん?」
「どうぞ」
「……おぉー……!」
なので町田青年は、そっと身体を横たえた。
昨日はいつ抱きつかれても良いように備えていたにも関わらず、遠慮されて抱きつかれなかったからである。
この結果に、彼は大層不服であった。遺憾の意を込めた「どうぞ」である。
「ぎゅっ!」
「はい」
「ぎゅーっ!!」
「そうです」
それを鋭敏に察したメアリーが抱きつけば、町田青年は大層満足した。
彼は、大概チョロい人だった。
■メアリーの にっき■
きょうは いっぱい おじちゃんに ぎゅーってした!!
せんせーにも いっぱい ぎゅーってした!!
いっぱい いっぱい なでなでしてもらった!!
うれしい!!
いつでも ぎゅーって していいって いってもらえたよ!
でもでも おしごとちゅーは あぶないから おしごと おわったら する!
あしたもいいこと ありますように!




