8月22日
八月二十二日。
今日は、台風である。
「……ひゃー!」
「すっごい雨ねぇ……」
ざぁざぁ降り、といった程度の風雨ではない。
怒涛もかくやと言わんばかりの、暴風であった。
こんな天気では客も来る筈がなく、喫茶“MARY”も開店休業中である。
「……買い出しは行かなくて良さそうですが」
「こうも酷い天気だと、怖いですねぇ」
「ねー」
外を傘が舞っているのを見れば、不安な気持ちも否定出来ないというもの。
なので、困った時は神頼みである。
「てるてるぼーずさん、がんばれーっ!」
「メアリーちゃん、がんばれっ、がんばれって」
「うんっ! がーんばれっ! がーんばれっ!」
窓枠に吊るされた、三人のてるてる坊主。
思い思いの表情を浮かべた彼らに、メアリーは元気良く応援するのであった。
気持ちの良い夕日が出るまで、後数時間。
■メアリーの にっき■
きょうは あらし!
たいふうでしたっ! ごぉーっ!!
かぜも あめも すっごい!!
おてんきさん おこってたねー。 ぷんぷん!
でもでも てるてるぼーずさん がんばったから
きれーな ゆうひが みれたよ!
ありがとね、てるてるぼーずさん!
あしたもいいこと ありますように!




