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8月21日
八月二十一日。
今日は、珍しく町田青年がゲームをしている。
「おじちゃん、パズル、おじょうずだねぇー」
「えぇ、まぁ」
閉店後、パソコンで帳簿をつけていた町田青年が、何の気なしに始めたのは、古き良き時代に流行った、FLASHパズルであった。
動物を揃えて消す、単純なパズルゲームを、町田青年は黙々と続けている。
始めてからゲームオーバーにならずに三十分。その腕前に、メアリーも膝上で感嘆していた。
「こういう作業は、慣れてますから」
「そーなの?」
「はい」
「そーなんだ!」
そうして見ていれば、メアリーも次第にやってみたくなる。
最高記録の更新が途切れる瞬間も、そう遠くはなかった。
■メアリーの にっき■
きょうは おじちゃんが げーむ してたよ!
ぱそこんで やる ぱずる!
すぅーっごく はやいのに すいすい どうぶつさんが きえちゃうの!
すごい!
めーちゃんも やってみたけど むずかしかったです。
やっぱり おじちゃんは
すごい!!
めーちゃんも ぱずる おじょうずに なりたいな。
あしたもいいこと ありますように!




