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1月23日

山なしオチ無し意味なし。

でも肌色はある。そんな回。


 一月二十三日。

 この日の夜は、ちょっとしたお楽しみがあった。


「……痛くありませんか、早乙女さん」

「う、うんっ。大丈夫です、先輩……っ」


 手足を絡ませ、優しく包み込む。

 深く、深く密着し合うその行為によって、身体の芯がが熱くなる……。


「……ほかほか!」

「はい」

「ほ、ほかほかだけど、ちょっと狭いかな……?」


 ……そう。

 全員で、お風呂に入ったのだ。

 勿論、卑猥や猥褻は一切ない。全員、水着を着用している。

 ただ、ぎゅうぎゅう詰めになりながら、浴槽に入っているだけだ。

 卑猥や猥褻は一切ない。ないったらない。


「ぎゅーってして、ぽかぽかするからだいじょぶ!」

「いや、色々大丈夫じゃないというか、色々危ないというか……!」

「……その、お嫌でしたら、自分は上がりますので……」

「いえっ! 大丈夫ですッ! 寧ろいてくださいっ!」


 思わず本音が飛び出す夢見に、町田青年は首を傾げながら大人しくする。

 意識的に触れない様にしているが、触れるところは触れてしまう。

 思春期を過ぎたとはいえ、若い男女には中々難しい状況であった。


「寒いところはありませんか?」

「うんっ! ぎゅーぎゅーでぽかぽかー!」

「そうですか。それは……良かった?」

「うん、疑問を覚えた方が良いのは確かですよねこの状況!」


 そもそもの発起人であるメアリーは満足そうに頷いているが、夢見の精神負担は相当なものである。

 なるべく町田青年の足を(勿体無いながらも)尻に敷かない様にしながら、夢見は彼の胸板に寝そべるメアリーを引き剥がす。


「きょ、今日はもうここまでっ!」

「えー!?」

「あ、明日、もっと広いお風呂で楽しむのっ!」

「ひろいおふろ?」

「うんっ! 先輩、良いですよね!?」

「はい」


 鷹揚に頷く町田青年を見て、夢見は早急に明日の予定を組み立てる。

 彼女は惜しみながらも、僅かに感じる固い足から離れることにした。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは みんなで おふろにはいったよ!

 せまーいおふろで ぎゅーぎゅーで ほかほか!

 おじちゃんの かちかちおむねも ゆめみの やわやわ おむねも どっちも きもちいー!


 あしたも いっしょに おふろにはいるよ!

 おうちのじゃなくて おっきな おふろ!

 とっても たのしみだね!


 あしたもいいこと いっぱいいっぱい ありますように!



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