8月16日
八月十六日。
明日は、東京へ帰る日だ。
なので今日は一日、海を遊び尽くしている。
「うみ、きれーだねー……!」
「……はい」
「夕日は、海が一番キレイな気がするわねぇ」
海水浴場で遊んだり、磯遊びに興じたり。
一日中外へ出向いていれば、マメに日焼け止めを塗っても効果は気休め程度になってしまうものである。
この三日間でメアリーと町田青年は真っ赤に焼け、夢見は小麦色となっていた。
「……先輩達は黒く焼けないから良いですよね」
「そうでしょうか」
「せんせー、やきパンみたいで、かわいーよ?」
「わかってるけど、美白に憧れちゃうのよねー……」
憧れは人それぞれ。
ヒリヒリする日焼けより、ヒリヒリしない日焼けの方がメアリーにとっては好みだが、夢見はその逆なのだ。
流石にその辺りの機微はまだ難しいのか、首を傾げるメアリーに、夢見は笑いかける。
「海、どうだった? 楽しかった?」
「うんっ!!」
「それは、良かった」
「あのね、えっとねー……」
少し言葉に詰まりながら、メアリーは二人を見上げる。
「……すーっごく、たのしかった! ありがとっ!」
その笑顔は、夕焼けよりも尚眩しくて。
町田青年も夢見も、思わず目を細めていた。
■メアリーの にっき■
きょうは いそあそびも したよ!
かにさんとか おさかなさん いーっぱい!
ちっちゃな すいぞくかんみたいで たのしいの!
ゆーやけの うみも よるの うみも とっても すてきだった!
また うみ いきたいなっ。
あしたもいいこと ありますように!




