8月15日
八月十五日。
昨日はしゃぎにはしゃぎ、電池が切れた様に眠りについたメアリーは、翌朝日の出と共に起き出した。
「うみ!」
「しー」
「うみー」
「はい」
そういった時、メアリーは寝起きの早い町田青年へと朝の散歩をせがむ。
大抵の場合は夢見が寝ている時間帯なので、そういう時は静かにせがむのがお決まりであった。
二人はそっと着替えを済ませ、静かに外へ出る。
「……きもちーねっ」
「はい」
波が穏やかな潮騒を生み、潮の香りは清涼感を感じさせる。
日に当たったばかりの砂浜は、未だひんやりと足を冷やしてくれていた。
「めーちゃんね、うみ、すきーっ!」
「そうですか」
「うんっ!」
「よかった」
「うんっ!!」
朝日も、人も。
優しい時間は、ゆっくり過ぎていく。
その時間の流れに、町田青年もメアリーも、揃って微笑んでいた。
■メアリーの にっき■
ひるの うみは あっつあつで めーちゃん あちちってなるけど
あさの うみは ひんやりしてて めーちゃんね あるくの すき!
よるのうみは しーんとしてて おちつくの。
ちょっと こわいけど みんなといっしょなら たのしいね。
あしたもいいこと ありますように!




