8月14日
八月十四日。
夏に行く場所といったら、やはり。
「うみだー!!」
「海、久し振りですねぇ」
「はい」
そう、海である。
朝早くから車を走らせてやって来たのは、千葉県は鴨川。
海水浴場のある、海沿いの街であった。
「うみ! うみ! はやくいこっ!」
「まずは旅館に行ってからねー」
「はーい!」
素直に手を挙げるメアリーを思う存分可愛がりながら、一行は海沿いの旅館へと到着する。
よく手入れがされ、旅館というよりホテルの様な品の良さがある宿に、衣類などの荷物を預けると、早速海水浴場へと移動するのだった。
「……おっきいー……っ!」
「これ、全部海なのよー」
「おっきい!!」
青い海、白い砂浜。
……とまでは言わないが、新緑の海と小麦色の砂浜は、メアリーにとって新しい物である。
「あそぶ!」
「準備運動は」
「する!!」
「はい」
元気よく準備体操をするメアリーを見ながら、町田青年は手早くパラソルとテーブルを組み立て、浮き輪を膨らませる。
楽しい楽しい夏休みの、始まりであった。
■メアリーの にっき■
きょうは うみ いったよ!!
うみね すっごく おっきいの!!
でね でね すっごく しょっぱいの!
めーちゃん ごっくんして ぺっしちゃった!
うみ すごいけど おいしくない!!
でもでも めーちゃん うみ とっても たのしかった!
あしたも いーっぱい あそぶ!!
あしたもいいこと ありますように!




