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8月10日
八月十日。
今日は、旅行前の仕事納めだ。
「だからねー、あしたねー」
「うんうん」
「おじゅんびしてー、あさってー」
「うん」
「うみ、いくのー!」
「へー、海かぁ」
「うみー!」
未だ見ぬ海が楽しみ過ぎる様で、メアリーは客という客に自慢して回っている。
そんな彼女見たさに足繁く通う常連客達は、盆の間は会えないことに寂しさを覚えつつも、楽しみで楽しみで仕方がないメアリーの話に耳を傾けていた。
「水着買った?」
「かったー!」
「そっかそっかー。じゃぁ、お水飲むの忘れない様にね」
「うんっ!」
頭を撫でられて諭されれば、メアリーは素直に頷く。
こうして度々諭されながら、メアリーは海への期待を膨らませていくのだった。
■メアリーの にっき■
きょうは おてつだいのひ さいご!
あしたから めーちゃんは うみの じゅんびです!
いっぱい いっぱい うみの じゅんびして いっぱい いっぱい あそぶんだ!
たのしみだね!
あしたもいいこと ありますように!




