7月27日
七月二十七日。
今日は、流し素麺な日だ。
「流します」
「わーい!」
「はーい」
町内会で開かれた、そうめん流し大会。
今日の町田家はお店を休んで、そのお手伝いに来ていた。
流す竹組みなどは専ら町田青年を含む男性陣が行っており、夢見達女性陣はそうめん茹で、メアリーに関しては周囲のおじさまおばさまに愛でられるのみである。
「まだかな、まだかなー」
「もうちょっと待っててねー」
メアリーと夢見がいるのは、流しそうめんの終点。
一番低い位置の、受けザルがある部分である。
大人やメアリーより背の高い子供、お腹の空いたちっちゃな子に譲っていたら、いつの間にか最後尾になっていたのだ。
それ故に掠め取られ、そうめんは中々来ない。
「……まだかなー」
「も、もうちょっとだから」
中々来ないそうめんを見かねて、夢見が無言で町田青年を手引きする。
それに気付いた町田青年は、量を多めにそうめんを流し始めた。
残ったそうめん達が、メアリーの眼前へと滑り落ち……。
「とれた!」
「良かったわねー」
「うんっ!」
見事、メアリーのフォークに引っかかったのであった。
物陰で町田青年が、小さくガッツポーズをしていた。
■メアリーの にっき■
きょうは おそーめん たいかいだったよ!
おそーめんを ながす たいかい!
めーちゃんも いっぱい たべたの!
たのしくって おいしかった!
また やりたいねー!
あしたもいいこと ありますように!




