7月26日
七月二十六日。
昼から、夢見とメアリーはお散歩していた。
「またみつけたーっ!」
「あら、帽子脱げてるわよ、メアリーちゃん」
「あれーっ!?」
麦わら帽子を被って、二人揃ってのお散歩である。
勿論、水筒と濡れタオルは忘れていない。
雨が降りそうなくらいの曇り空とはいえ、時期的には夏なのだ。
子供であるメアリーが一緒である以上、熱中症対策はいくらしても足りないくらいであった。
「かぶった!」
「よーし。じゃぁおさらいね。道路を渡る時は?」
「みぎみてー、ひだりみてー、もっかいみぎー!」
「車が来てたら?」
「まつ!」
「車が来てなかったら?」
「おててあげて、きをつけてわたる!」
「よく出来ました! えらい!」
「えへへー!」
加えて、二人でのお散歩は危険がいっぱいだ。
事故、事件、災害。ちょっと目を離した隙に、目も当てられない大惨事になり得るのである。
普段は抜け目ない町田青年が相手しているからこそ大丈夫だが、自分も大丈夫と奢る気には、彼女はなれなかった。
元気に答えるメアリーを撫でながら、繋いだ片手はきちんと掴んで離さない様にする、しっかり者の早乙女夢見であった。
■メアリーの にっき■
きょうは おひるから おさんぽ したよ!
きょうも いーっぱい げっとした!
かわいいの いっぱい!
きょうの おさんぽ せんせーが ずーっと おててつないでくれたから うれしかった!
おじちゃんのときは いっぱいあそべるけど めーちゃん こっちもすき!
でもでも みんなで おさんぽしたときに おてて どっちも つないでくれるのが いちばんすき!!
また おさんぽしたいな!
あしたもいいこと ありますように!




