7月20日
七月二十日。
今日は閉店後、三人揃ってショッピングモールへと買い物に向かった。
夕暮れも過ぎた頃であれど、繁華通りは未だ店じまいを見せていない。
「なにかうのー?」
「えーっと、嵩張る食料品は後で、本屋さんを見に行った後にするとしてー……」
「まずは、此方を」
そう言って三人がまず向かったのは、女の子向けの水着服コーナーである。
可愛い物から実用的な物まで、ありとあらゆる児童向け水着を集めた一画が、メアリーを包み込んでいた。
「……かわいいおようふく!」
「水着よ、水着」
「一着、気に入った物を夢見さんと探していてくださいね」
「んぅ? おじちゃんはー?」
「自分は、自分に合う物を探してきます」
「むー……」
そう言って、町田青年はそそくさと男性向け水着コーナーへと行ってしまう。
メアリーとしては町田青年に見て貰いたかったのだが、彼にとってこの空間は、常に人の白い目に晒される針の筵だということを、彼女は未だ知らないのであった。
ぷぅ、と膨れるメアリーを宥めるべく、夢見は彼女の頭を撫でる。
「まぁまぁ、メアリーちゃん。こう考えましょ?」
「どう?」
「とっておきの水着を、明日お披露目してあげるの。先輩、喜ぶわよー?」
「……そーだねっ!」
それもそうだと、ころっと機嫌を直すメアリー。
すっかり手綱を取られている事にも気付かぬまま、夢見と水着選びに興じるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは みずぎを かったよ!
みずぎは ぬれても いい おようふく です!
どんなみずぎかは まだ ないしょ! あしたの おたのしみー!
でもでも みずぎ どーするのかな?
おみずあそび するのかなー?
とにかく とっても たのしみ!
あしたもいいこと ありますように!




