7月19日
七月十九日。
蒸し暑い日には、ジュースが美味くなる。
「……っぷはーっ!」
「メアリーちゃん、お口にあわあわついてるわよ」
「んー?」
「ほら、取ってあげる」
「んー!」
昼下がり、水分補給の為にレモンスカッシュを飲むメアリー。
そんな彼女の口周りには、ぺとぺとと炭酸がひっついていた。
濡れタオルで拭いてもらいながら、メアリーは尚もレモンスカッシュへとがっつく。
「……おいしー!」
「それはよかった」
「お口はベトベトだけどね……」
「んー?」
飲んで、汚して、拭って、また飲んで。
一連の流れは尽きず夢見に負担をかけるが、メアリーはまだまだ子供である。幼女である。
多少の粗相は笑って許そうという空気が、蒸し暑い昼下がりにも存在していたのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは むしむしするから ジュースのんだよ!
れもんすかっしゅ! しゅわしゅわで さわやか!
でも めーちゃん ストローないと ベトベトになっちゃうのね。
でもでも せんせーが ふいてくれたから ベトベトしなくて きもちいーの!
せんせー すっごく やさしいね! ありがと!
あしたもいいこと ありますように!




