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7月13日


 七月十三日。

 今日は少し、蒸し暑さが勝る。


「……あついねーっ」

「ムシムシするわねぇ」

「ベッドを買って、正解でしたね」


 そんな蒸し暑い夜でも、布団の湿りを気にすることなく町田家の三人はベッドの上で戯れていた。

 やや寝苦しいが、一人でなければそれ程不快とは言い難いものである。


「お腹を冷やさないよう、タオルケットはしっかりかけて寝ましょう」

「はーい!」

「まぁ、三人で寄り添うと寒さとか、誤差ですけどね」


 そう言いながら、夢見は気恥ずかしげに微笑む。

 未だに寝る前は恥じらいが交じるのか、彼女は怖ず怖ずとベッドの隅に横たわっている。

 これで寝入るとメアリーさながらに引っ付きにかかるのだが、引っ付かれたまま眠り続ける町田青年はただただ苦笑するばかりだ。


「では、おやすみなさい」

「「おやすみなさーい!」」


 電灯の電源紐に手を伸ばし、電気を消す。

 後の照明は外の明かり程度で、目を閉じれば夢の中だ。


「……よい、しょっと」


 そんな中、メアリーはそーっとそーっと、夜闇の中でクレヨンと日記帳を手に取る。

 ベッドの下に隠されたそれに、メアリーは今日も日記を描くのであった。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは むしむし してる!

 あめが ふりそうで ふらないのね。 ふったら すずしくて いいのに!

 でもでも おやすみすると きもちいーから おねんねは ちゃんとするよ!


 あしたも おげんきに がんばるから にっきも ここまで!

 あしたもいいこと ありますように!


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