七月十日
七月十日。
今日は閉店後に、すのこベッドが家にやって来た。
「おっきい!」
「組み立ては二階でやりましょう。夢見さん、すみませんが、片方お願いします」
「はーいっ」
大きな段ボールに梱包されたすのこベッドを、どうにかこうにか二階へ上げる。
途中階段で夢見がふらつく事もあったが、それを片手で支える辺りこそ、町田青年の男性らしさであった。
そうして運んできたダンボールを開けると、中には基礎だけが組まれたすのこと、足の材料が収められていた。
「……どうやら、足だけを組み立てれば良いみたいですね」
「どうします?」
「手分けしましょう。大きい物は自分が」
「ちっちゃいの、めーちゃんもやる!」
「はいはい。じゃぁ一緒にやりましょうねー」
和気藹々といった風に、三人で手分けして取り掛かる。
一人は幼女とはいえ、流石に三人がかりでやれば作業は早く進み、二十分程でホームセンターで見た物とそっくりそのままの物が完成した。
「かんせー!」
「意外と早く組み立てられましたねー」
「お二人の協力、あってこそです」
早速布団を敷いて寝転んでみれば、意外にもしっかりとした寝心地を味わえる。
湿り気も少なく、三者三様の笑顔を見せた。
「……きもちいーねっ!」
「そうねー。これなら夏も快適ね」
「……はい」
ごろごろ、ごろごろ。
三人でじゃれ合おうとも、ぎしりとも音はしない。
すのこベッドはこの夏の、頼もしい味方になりそうであった。
■メアリーの にっき■
きょうは すのこベッド きたよ!
とっても おっきい! めーちゃんより おっきいの!
ごろごろすると すっごく きもちいーの!
めーちゃん ここで おねんねするの たのしみ!
ぐっすり ねむれるかな?
あしたもいいこと ありますように!




