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7月6日
七月六日。
兎角、涼しさは眠気を誘う。
「……くぅ」
「おやおや」
こと、食事を済ませた昼下がりは、尚更眠気を強めるものだ。
少なくとも幼いメアリーにとっては、絶大な程に。
「気持ち良さそうに寝てますねぇ」
「寝る子は育ちますから」
これが大人であれば、仕事中に怠けるとは何事かと言われることだろう。
だが、メアリーはまだ幼女である。
寧ろ昼寝の一つや二つ、推奨されて然るべきであった。
「まだ空いてますし、ここで寝ていても大丈夫でしょう」
「ですねぇ。……やー、かーわいい」
「……むぅ」
頬をぷにぷにと押せば、ぱく、とメアリーが指を口に含む。
そんな様も愛らしく、微笑ましい気持ちにさせる午後であった。
■メアリーの にっき■
きょうは おみせで おひるね したよ!
ぐーっすり ねてた! ふしぎ!
おひるねするの きもちいーね!
あしたもいいこと ありますように!