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1月17日

町田先輩爆発しろ。


 一月十七日。

 昨日は夢見も泊まり、少し騒がしくも楽しい夜となった。


 そうして、十五時。

 夢見は普段からすると驚くほど静まり返りながら、その心臓をこれでもかという程に鳴らしていた。


「……ね、寝てる……!」


 そう、町田青年が昼寝しているのである。

 買い出しの為に、メアリーと二人で出掛けた夢見。

 彼女を待っていたのは、毛布に包まりながら、規則正しい寝息を立てている町田青年であった。


「……おじちゃん、おひるねしてる!」

「うん……お仕事で、疲れてたのかもね」


 ひそひそと話す二人を他所に、町田青年は死んだ様に眠っている。

 ……傍から見ると本当に死んでいる様にも見えるが、胸は上下しているので生きてはいる。


「……うん」


 暫くして、メアリーが心得た様に頷く。

 いそいそと彼女はコートを脱ぎ、ハンガーにかけて……。


「……よしっ!」

「いやいやいやいや」


 ……流れる様な動作で、町田青年の腕の中に収まった。

 ドヤ顔を向けるメアリーに、夢見は手を振って言う。

 

「……何してるの、メアリーちゃん」

「ひるね!」

「いや、分かるけども!」


 淀みどころか一切の躊躇もない答えに、呆れて夢見は溜息をつく。


「……メアリーちゃん。先輩は今、疲れてるから……」

「しってるよ?」

「えっ」

「しってるから、めーちゃんはおひるねするの!」

「えぇっ」


 どういうことなの、と夢見は目を白黒させる。

 メアリーは毛布を被りながら、にひっと笑った。


「めーちゃんがひっつくと、おじちゃんがげんきになるんだよ!」

「な、何で……?」

「めーちゃんがぽかぽかだから!」

「そ、そうなのかー……」


 疲れた様に笑いながら、夢見はメアリーの頭を撫でる。

 ……そして意を決した様に。


「……じゃぁ、私も寝る!」

「おー!」


 買った物を冷蔵庫に放り込み、毛布と布団を取り出して、町田青年の背にひっつく様に寝転んだ。

 ぎゅっと手を回してみれば、ひんやりとした町田青年の身体と、ぽかぽかのメアリーの身体が手に触れる。

 成程、これは心地よいと夢見は内心で頷いた。


「……悪くないかな」

「ん!」


 ゆっくりと目を閉じて、夢見は彼の首筋に顔を埋める。

 同じ様に、メアリーが胸元に顔を埋め、二人揃って、ゆっくりと目を閉じた。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは さんにんで おひるね したよ!

 めーちゃん おじちゃん さおとめで かわのじ!


 ぐっすりねすぎて よるになっちゃったけど

 おじちゃんも さおとめも げんきそうだったよ!


 これであしたは おしごと がんばれるね!

 あしたもいいこと ありますように!


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