6月17日
六月十七日。
今日は、新しいボードゲームで大賑わいであった。
「こ、ここでワープッ!?」
「ほう、ここから一回休みでショートカットか……考え物だな」
「仕事して下さい、先生」
町田青年とメアリー、そして夢見が趣向を凝らして作り出したすごろく。
それはコマにもマスにも特殊な効果がある、独特なモノであった。
例えば、メアリーの持つうさぎのコマは……。
「……にます、すすむ!」
「おーっ、あれ、うさぎのコマって……」
「マスの効果で進む時は、更に三マス進めます」
「うわっ、一気に五マス!?」
「うさぎさん、ぴょんぴょんぴょーんっ!」
……といった具合に、アナログながら様々なデータを備えていた。
これには他の客も楽しく受け入れている様で、自らのコマをどう使うか考えていた。
「えへへっ。いっちばーんっ!」
「メアリーちゃんが更に早くなってる……!」
そんな中で、一番楽しそうなのはやはりメアリーである。
彼女は輪の中で、いつでも楽しそうに笑っていた。
「……おめでとうございます、メアリーさん」
「ありがとーっ!」
これからも、いつまでも笑顔でいてほしい。
その為なら多少の忙しさなど、気にも留めない町田青年であった。
■メアリーの にっき■
きょうも いっぱい あそんだよっ!
あたらしい すごろくは みんなも きにいってもらったの!
めーちゃんも すっごく たのしかった!
あしたは りんじきゅーぎょーっ らしいよ!
あしたもいいこと ありますように!