6月13日
六月十三日。
今日は、ちょっとした催事が開かれていた。
「……三マス進む」
「やったー!!」
「うげぇ、メアリーちゃんつえー……」
昼下がりの喫茶“MARY”に、和気藹々とした声が響く。
喫茶の中央に四人席のテーブルが移動され、そこで複数の客とメアリーが、すごろくをしていたのだった。
「ふっふっふー! めーちゃんは、さいころさんとおともだちなのだ!」
「なにそれズルい!」
「畜生、友達料幾らだソレ……!」
大学生、高校生、それに社会人も。
老若男女問わずに、すごろくにはまり込んでいる。
町田青年手製のすごろくは様々なマスとマップがあり、何度やろうとも飽きさせなかった。
「ごーる! つぎ! つぎやろー!」
「うーっし、じゃぁ次は最後のヤツ、めーちゃんにオゴリな」
「負けた方がご褒美じゃねーか」
「めーちゃん、まけないよー!」
ワイワイと盛り上がりを見せる卓上に、他の客達も囃し立てる。
町田青年はそれを見守りながら。
「程々に、してくださいね」
と薄い苦笑いを浮かべるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは おきゃくさんと すごろくしたよ!
みんなで すごろく! たのしかった!!
めーちゃん いっぱい いっとうしょう したよ! すごい!
おじちゃんの てづくり すごろく たのしいね!
でもでも ぼーどげーむって ほかにもいっぱいあるんだって!
どんなのが あるのかな?
あしたもいいこと ありますように!