6月11日
六月十一日。
今日は閉店後の散歩中、ある物を見つけた。
「……ながーい!」
「新幹線ですね」
「しんかんせん!」
駅に停まる新幹線が、少しだけ見えていたのだ。
端から端まででも、物凄い長さを持つ乗り物はどこと無く未来的な白さを持っており、その一端だけでもメアリーを魅了していた。
「とっても速いから、色んなトコロに行けちゃう乗り物なのよ」
「キャンプにも!?」
「キャンプは……車の方が手っ取り早いかと思います」
「そーなんだ!」
余程キャンプは印象深かったのか、それともそれ以外を知らないのか。
メアリーの日本はどうやら住んでいる近辺とキャンプ場くらいらしく、此処にも行けるのか、あちらにも行けるのかと聞いていた。
そうして、どの様な所に行けるのかを知ると、メアリーは楽しそうに頷いて。
「……じゃぁ、しんかんせんにのって、さんにんでおでかけできるといいねっ!」
「そうねぇ」
「夏場は、検討しましょうか」
新たな希望を、大人達に振り撒くのだった。
■メアリーの にっき■
きょうは しんかんせんを みたよ!
ながくて しろくて ほそい!
びゅーんって とんで いろんな とおいところに いくんだって!
すごい!
いつか しんかんせんに のって とおくに いってみたいね!
めーちゃんと おじちゃんと せんせーの さんにんで!
あしたもいいこと ありますように!