6月7日
六月七日。
今日は特に、二人の笑顔が眩しい日だ。
「ふっふーん!」
「……ふふふっ」
これ見よがしに見せつける首元には、小さく、可愛らしいネックレス。
一部の客にはそれ以上に、挑発的な胸元が気になるご様子だが、多くの客がその小さな変化に微笑ましく思っていた。
「…………」
対して、気恥ずかしげに厨房に篭もるのは町田青年である。
嬉しいのは分かるのだが、二人はどうにも見せびらかし過ぎている。
唯一アクセサリーの類をつけていないのは町田青年であり……贈ったのもまた彼であると、喧伝している様な物であった。
「……プレゼントも、程々にしましょう」
「「えー!」」
そっぽを向きながら、そう町田青年が呟けば。
些か不服そうに、二人分の声が上がるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは いっぱい じまんしたよ!
おじちゃんから もらった ネックレス!
かわいいねーって いっぱい いってもらえた!
せんせーも いっぱい ほめられてた!
でもでも いちばん うれしそうだったのは おじちゃんが にあってるって いったとき!
おかお まっかっかにして すーっごく うれしそうだったの!
よかったね せんせー!
ネックレス ずーっと だいじにつけるよ!
あしたもいいこと ありますように!