6月4日
六月四日。
自分で分からないことは、手近な人に相談するのが町田青年のやり方である。
「なら、モノを買っても良いんじゃないッスかね?」
「買う」
丁度コーヒー豆を届けに来たスラッシャー上三を捕まえて、町田青年はサプライズプレゼントの相談をした。
如何にもチャラチャラとした風体ではあるが、思いの外誠実な彼は、彼なりに思案した上で答えてくれた。
「何も手作りだけが全てじゃないッスから。念入りに選んだモノなら、きっと喜んで貰えますって」
「成程……」
上三の言葉に、町田青年も得心が行くと頷く。
更に、彼は自らのスマホを弄ると、アクセサリーなどのサイトを見せた。
「ここらへんのアクセなんて、女の子向けで良いと思うッスよ。行ってみたらどうッスか?」
「……考えておきます」
サイトの情報を、紙に書き留めながら。
二人に似合うアクセサリーを、町田青年は想像してみるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは おじちゃんと すらっしゃーさんが おはなししてたよ!
ヒソヒソ なに おはなし してたんだろーね?
ないしょばなし きになる!
でも ごはんに デザートを つけてくれたから めーちゃんは みないふり してあげるのだ!
あしたもいいこと ありますように!