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6月2日


 六月二日。

 町田青年は、驚愕していた。


「…………これ、は」


 目の前の卓袱台に置かれているのは、大きなショートケーキ。

 町田青年が作った物と違い、所々不揃いなソレは、恐らく二人の……メアリーと夢見の、手作りであろう。


「おつかれさま!」

「いつもありがとうございまーす!」


 そうしてぱん、と軽い音を伴い、二人が町田青年を祝福する。

 その段になって、町田青年は一人で買い出しに出させられた意味に、漸く気付いたのであった。


「……これは、してやられましたね」

「どう? どう? ビックリした!?」

「えぇ、とっても」

「やったー!」


 飛び上がらんばかりに喜ぶメアリーを撫でながら、町田青年は夢見へ笑いかける。

 発案者である夢見もまた、いたずらっぽく笑い返した。


「……こういうサプライズも、いいモノでしょう?」

「はい。ありがとうございます」


 悪意あるサプライズよりも、善意溢れるサプライズを。

 地獄の道が善意で舗装されていたとしても、天国の道もまた、善意で舗装されているのだから。

 町田青年はそう思いながら、メアリーを抱き上げた。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは ビックリ ビックリ サプライズ!

 おじちゃんに おかいもの いってもらってる あいだに

 めーちゃんと せんせーは ケーキを つくっちゃいました!!

 たっぷり いちごの ショートケーキ!

 むずかしかったけど がんばったよ!


 おじちゃん とっても ビックリしてたって!

 よくわかんなかったけど うれしそうなのは わかった!

 めーちゃんも とっても うれしい!


 きょうは いいこと がんばりました!

 あしたもいいこと ありますように!


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