5月31日
五月三十一日。
今日の町田青年は、狙われていた。
「…………」
「…………」
メアリーに、である。
とはいえ、恋の鞘当てといった話ではない。
町田青年の物理的な隙を、メアリーが虎視眈々と狙っているのであった。
無論、驚かせる為に。
「……ん」
「わっ!!」
「……どうかしましたか、メアリーさん」
「……なんでもなーい」
少し町田青年が身動ぎすると、待ってましたとばかりにメアリーが脅かしにかかるのだ。
お蔭で町田青年もすっかり身構えてしまって、妙に可笑しな緊張感を生んでいる。
「……メアリーさん」
「なーに?」
「自分を驚かせたいなら、夢見さんと相談した方が良いですよ」
「!?」
終いには、降参する様に町田青年が作戦を練る様に促せば。
店内には堪え切れず、笑ってしまう者もいたのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは おじちゃんを おどろかせようと おもったの!
でもでも ぜんぜん おどろいてくれないの!
おじちゃん だいぶつみたい!!
だから めーちゃん せんせーと ごそーだんします!
さくせんかいぎして おじちゃんを びっくりさせるの!!
あしたもいいこと ありますように!
びっくり しますように!




