5月29日
五月二十九日。
今日は店を休みにして、大掃除を行うことにした。
「……あぁ、この辺りに生ゴミが溜まっていたんですね」
「ほーき? ネバネバぼー?」
「後者……ネバネバの方でお願いします」
「はーい!」
ゴキブリ一匹を見たならば、三十匹はいると思え。
その言葉に倣い、徹底的に清掃する。
幸いにも溜まり場になりそうな場所は発見出来た為、後は普段手の出せない部分を清掃し、防虫処理をするだけだ。
「……これでよし。後はこれ以上生ゴミが落ちない様にテープを貼って……」
「せんぱーい。流しに流すクスリってコレで大丈夫ですかー?」
「あ、はい。それを入れれば大丈夫です」
テキパキと作業が進むのは、町田青年の指示あってこそ。
パパっと作業を終えると、町田青年は一つの薬剤を置く。
「後は締め切って、コレを使うだけです」
「なーに、それー?」
「これを使うと薬の入った煙が出て来て、虫を退治してくれます」
「へぇー!」
市販の殺虫剤を撒けば、ほぼ完璧に仕留められるだろう。
直接当てるべきではない物は撤去済み、貼り紙で作業は告知済みなので問題はない。
「煙が出る間は、外でおやつでも食べましょうか」
「はーい!」
後はのんびり待つだけ。
休みも兼ねた、良い大掃除であった。
■メアリーの にっき■
きょうは おおそうじ したよ!
いっぱい いっぱい おそうじ!
めーちゃんも いっぱい がんばりました!
もう むしさん バイバイしたよね?
もう でないと いいな!
でも なつになったら いっぱい むしさん くるんだって
ごきぶりさんは でないといいなぁ
あしたもいいこと ありますように!




