142/326
5月21日
五月二十一日。
今日は、思い切り溺愛していた。
「……はい、あーん!」
「あー!」
昨日までの緊迫感からの反動だろう。
普段はメアリーに厳しめの夢見が、今日ばかりはとてつもなく甘やかしている。
気のせいか、客達もいつもより二割増しで甘やかしていた。
「…………」
唯一甘やかしていないのは、町田青年だけだ。
必要以上に感情を吐露できない悪癖が、此処に来て甘やかしの空気に乗らせまいとしていたのである。
非常に歯痒い想いをしながらも、町田青年は少し諦めの表情で。
「メアリーさん」
「なーに?」
「今日の晩御飯は、何が良いですか」
「んー……カレー!」
「はい」
せめて好きな料理を食べさせてあげようと、献立を決めるのであった。
■メアリーの にっき■
きょうは なんだか いーっぱい やさしかったよ!
みんな みーんな やさしいの!
めーちゃん すっごく うれしかった!
みんな みーんな だいすき!
でも なんで やさしかったんだろーね?
ふしぎ!
あしたもいいこと ありますように!