5月13日
五月十三日。
今日のメアリーは、町田青年の本を読んでいた。
「ねーねー」
「はい?」
「このじ、なんてよむのー?」
「あぁ、これは……」
所々、町田青年の教えを受けながら、難しい文章を彼女は読み解いていく。
そうして読み解いていく内に、漸く彼女は文章の内容というものを理解する。
時間はかかるが、少しずつ、確実な成長を、メアリーはしていたのだ。
「……どうですか、その本は」
「んーっとねーっ」
不意に、町田青年は本の感想を聞いてみたくなる。
彼女がどんな印象を受けたのか、純粋な興味が故だった。
そんな質問に、メアリーは大真面目にうんうん呻った後。
「……よくわかんないけど、おもしろかった!」
「……そうですかぁ」
笑顔で、答えるのであった。
まだまだ、町田青年の読む本は難しいメアリーであった。
■メアリーの にっき■
きょうは おじちゃんの おほんを よんだよ!
でもでも とーっても むずかしかった!
でもでも とーっても おもしろかった!
また よみたいって いったら いつでも かしてくれるって おじちゃん いってた!
うれしいね!
でもでも めーちゃん おじちゃんに よんでもらったほうが いちばん わかるとおもうの。
ねるまえとか!
あしたもいいこと ありますように!