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4月24日


 四月二十四日。

 今日はちょっとした物が届いた。


「ウチのおばあちゃんから、差し入れって」

「なにこれー!」

「筍、ですか」

「たけのこー!」


 筍である。

 夢見の祖母が送ってきた物の様で、どれもこれも穂先が黄色く、ずっしりとしていた。


「……良い筍ですね」

「おじちゃん、わかるのー?」

「はい。穂先が黄色くて、重くて、赤い粒々が少ないほど、良い筍です」

「へぇー……!」


 ちょいちょい、と触れただけで分かる重みは、その鮮度の良さを表していた。

 目をきらきらと輝かせて検分するメアリーを見ながら、町田青年は算段を立てる。


「……ちょっと、筍御飯でも作ってみましょうか」

「たけのこごはん!?」

「はい」

「良いですねぇ。先輩のタケノコご飯、久し振りに食べますし」


 昔は夢見の祖母が、筍を送ってくる度に、町田青年がタケノコご飯を作ったものだ。

 思い返す度に、彼女の口元は緩む。

 昔は幸せだったが、今はもっと幸せなのだ。


「お祖母さんに、よろしくお伝え下さい」

「はいっ!」


 でも、もう少しワガママを言うなら。

 頭を撫でて欲しいと思わないでもない、夢見であった。



 ■メアリーの にっき■


 きょうは たけのこが きたよ!

 たけのこは にょきにょきする くさっぽい き!

 にょきにょきするんだって! すごい!


 たけのこは おじちゃんが たけのこごはんにしてくれたよ!

 ほんのり うまうまで おいしい!

 めーちゃん これ すきです!


 あしたも たけのこごはん! たのしみ!

 あしたもいいこと ありますように!


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