4月19日
四月十九日。
メアリーの身の回りには、手に届かない物がいっぱいだ。
「おじちゃーん!」
「はい」
「ふきんとってー!」
「はい」
なにせメアリーは、独力ではテーブルを拭くのも一苦労なのだ。
なので大抵は町田青年が、彼女の手伝いを買って出る。
「おさらのっけてー!」
「はい」
「おぼんかえしまーす!」
「はい」
高い所に渡す時、高い所から下ろす時。
そういった時は、町田青年が補助をする。
腰から持ち上げれば、ひょいと持ち上がるので、そう重労働ではない。
「たかいねー!」
「高い所は大丈夫ですか」
「だいじょうぶー!」
いつか大きくなって、持ち上げなくて済む様になるのだろうか。
そんな事を考えられることが、嬉しいような、寂しい様な気がした、町田青年であった。
■メアリーの にっき■
めーちゃんは たかいとこが すき!
たかいとこだと おじちゃんの あごを すりすりできるから!
たまにじょりじょりだけど いつもはすりすり! きもちいい!
でもでも いつか おっきくなって めーちゃんが おてつだいされなくても いいように したいね!
そしたら おじちゃん もっとげんきになるかな? たのしみ!
あしたもいいこと ありますように!




