表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/326

4月18日


 四月十八日。

 最近の町田青年は、朝ご飯が終わると新聞を読む。


「……地震が多いですね」

「義援金とかの募集も始まってるみたいですよ」

「一口入れておきましょうか」


 珈琲を飲みながらの朝は優雅だが、珈琲の飲めないメアリーにはちょっと退屈な時間だ。

 彼女はテレビに目を向けていたが、やがて町田青年の読む新聞へ目を向ける。


「なんてかいてあるのー?」

「最近起きた、地震についてですね」

「じしん?」

「地面がぐらぐら揺れることよ。この間もあったでしょう?」

「あー!」


 思い至ったのか、わざとらしくメアリーは手を打つ。

 あの時は軽い揺れであったが、新聞に載っている場所の揺れは相当な物であった。


「……じしん、たいへん?」

「大変なことです」

「大事件よねぇ」

「たいへんかぁ……」


 うーん、と少し考えるメアリー。

 そうして、何かを思いついたのか、キョロキョロと当たりを見回し始めた。


「おじちゃん、おじちゃん」

「はい」

「じしんあったの、どっち?」

「……あちらになるでしょうか」

「そっか!」


 九州の方角を教えてもらい、そちらへ向き直ると。


「……げんきーっ!」


 思い切り、腕を伸ばし始めた。

 呆気に取られている二人に向けて、メアリーは叫ぶ。


「げんき、おくるの!」

「はい」

「おじちゃんも、せんせーも、おくろ!」

「……自分達は現金を送りますから」

「メアリーちゃん、私達の分も元気送ってあげてね」

「わかったーっ!」


 流石に元気を送っても届くか分からないので。

 後で募金して来ようと思う、町田青年と夢見であった。


 ■メアリーの にっき■


 きょうは きゅーしゅーの ひとたちに げんきを おくったよ!

 きゅーしゅーの ひとたち げんきになーれって! おくったの!

 とどくかな? とどくといいな! がんばれ!


 おじちゃんと せんせーは おかねを おくるんだって!

 おくった おかねで きゅーしゅーの ひとたち げんきに なるかな?

 なるといいな! がんばれ!


 たいへんなときとか つらいときとか たすけてくれるひとがいると めーちゃん すっごく しあわせだとおもう!

 だから めーちゃんも みんなを たすけてあげれたら いいなっ!


 あしたもいいこと ありますように!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ