4月13日
四月十三日。
今日も今日とて、新メニューの開発を行う町田青年であった。
「今日はこれを使ってみます」
「なーにこれ?」
「カルピスの原液です。桃とぶどう味をブレンドしてみました」
粘ついた液体をコップに注ぎながら、町田青年は言う。
昨日とは打って変わって、独特な色合いをしたそれは、サイダーと混ぜ合わさり、薄い白濁液となった。
「さ、お二人共」
「カルピスかぁ、飲むのは久し振りだけど」
「いただきまーす!」
町田青年の勧めに応じ、三人揃ってミックスカルピスサイダーを飲む。
飲み干した後の反応は、三者三様であった。
「おいしい!!」
「甘ったる……っ」
「……ぶどう味が強すぎますね。配分を考え直します」
メアリーは目を輝かせ、夢見は甘さに悶絶する。
そして町田青年は、眉一つ動かさずに思案していた。
「めーちゃん、これすきー!」
「それはよかった」
「私は苦手かもですね……」
「えぇ。大人の方向けに、次は、もう少し薄めてみましょうか」
そう言いながら、町田青年はもう一度作り直してみる。
夏向けのドリンクも、もう少しで出来そうであった。
■メアリーの にっき■
きょうは かるぷすの サイダーを のんだよ!
にはい! にはいです! ふたつ! いっぱい!
どっちも あまあまで うまーなかんじ! おいしい!
なつの おいしい おのみものに するんだって。
いいと おもうなって めーちゃん いったら せんせーに のみすぎないようにねって いわれちゃった。
ばれた! はんせい。
あしたは ちょっと しゅこーを かえるって おじちゃん いってた!
なんだろね? たのしみだな!
あしたもいいこと ありますように!